物質世界を作り守る神。イア、エア。
精神世界を作り守る神。レイ、アイ、ハイ。
物質世界、主に科学的な世界では、
人の考えは脳という臓器であり、電気信号によって心も作られている。
死んでしまえば、存在しないものとなる。何もなくなる。
どうせ死んでしまえば無になるのだから何をしても良い。何をしても変わらない。
何をしても結局物質の振る舞いとしては同じ。(ニヒリズム)
しかし、精神世界では、
それらを補完すべき、生きることの意味や想像、思想、宗教などを作り出す。
人は単なる物質的存在ではなく、意識を持ち、その中で様々な質感を感じる存在だと。
そして、物質世界、精神世界の両方があってこそ、人は生きられる。
ダイヤモンド、パールでは、シンオウの精神世界を守るレイ、アイ、ハイと
物質世界を守るイア、エアとのバランスが崩れることで、世界に異変が起きる。
本来、ポケモンの世界では精神世界の方がバランスとしては強い。
しかし、その精神世界を上手に使った物質世界が存在している。
それは、例えばモンスターボールである。
中にいることで、ポケモンたちは気持ちが良く居心地がよい。
居心地が悪ければ、それは単なる機械。
そう、物質世界が中心となると、感情、知識、意志がなくなる。
物質世界が広がる。
※ポケモンの世界は現実よりも物質や科学よりも少し精神文明寄りな世界に位置する。
 それは、ポケモンを大切にしていること、人と変わらない思いを持っていることだけでも分かる。
(1)第一段階
	精神世界ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー物質世界
	  宗教・・・・◎・・・・+・・・・・・・・・科学
	        ↑ポケモンの世界
(2)第二段階
	精神世界を守る神が開放されてしまうことで。物質世界に寄っていく。
	精神世界ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー物質世界
	  宗教・・・・◎>>>>+●・・・・・・・・科学
	        ↑ポケモンの世界
                 ↑少しずつ異変が起こり出す。
(3)第三段階
	精神世界ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー物質世界
	  宗教・・・・◎>>>>+>>>>>>>>●科学
	        ↑ポケモンの世界
	                      ↑最終的にこの辺りまで異変が起きる。
湖に通じる所に爆弾を仕掛けるギンガ団。
レイの湖を爆破し、コンキングやトサキントなど大量のポケモンを捕獲しようと目論んでいる。
爆破することで湖のすべての水を無くしてしまおうというのだ。
そして、レイをも傷つけるギンガ団。
それによって、バランスが崩れ出す。
主人公はレイを捕獲することに。
アイもハイも傷つけられると3体の精神世界はなくなり物質世界の形成。
それは、科学のみの世界。すべてを物質とみなし、人さえも記憶さえも物質と見なす。
人が死んでもそれは細胞物質が死んだことであり、そこに悲しさ寂しさなどはない。
そして、すべては時(空間)に左右される世界の登場。
野蛮ではなくルールがあり、秩序があり、それらが大事とされている所では、
サメハダーを捕獲する人は偉い人のみであり、そして捕獲しても丁寧に扱い、
陸に持ち帰り、ひれを切り高く売るが、食べられるところは全て食べ、
骨までも丁寧に、丁重に、慈しみをもって扱う。
そういった所では、多くのサメハダーの命は亡くならず、
そして、高いもの、価値のあるものは、価値のあるものとして扱われる。
現在の資本主義の発達したルールや秩序の欠けた野蛮な世界では、
巨大な船でサメハダーを必要以上に捕獲し、ひれだけを切り取り、生きたまま海に捨てる。
そうやって、大量に仕入れ、そして安く売る。
成果主義。
強いものが弱いものを殺して何が悪いのか。
前者が、ポケモンの世界の多くの場所であり、価値観である。
そして、今回、後者の価値観をギンガ団が持つ。
※つまり、現実世界で行き過ぎ、やりすぎの要素と同様。